障害者雇用Q&A

Q
優先順位をつけるのが苦手な障害者社員がいます。 特性に配慮して一つひとつ仕事を依頼するのは負担です。どうすればいいでしょうか?

精神障害者を事務補助業務で採用しました。
優先順位をつけるのが苦手だということで、仕事は一つ一つ与えるようにと言われましたが、受け入れ予定の部署では、依頼する人も、発生する仕事のタイミングもさまざまです。障害の特性には配慮したいのですが、一緒に働く社員の負担が増えてしまうとなると正直言って困ります。

A

【雇用管理の担当者】障害者社員に指示を出す人を、一人に決める。

 知的障害者、精神障害者、発達障害者の中には、優先順位をつけるのが苦手なため、一度に複数の仕事を指示されたり、作業中に他の仕事を依頼されたりすると、何をどの順番で行ってよいか分からなくなってしまうという人が見られます。また、仕事が複数の人から依頼されると、人によって指示の仕方が異なることがあり、混乱してしまうこともあります。

こういった特性に配慮して、障害者への指導を専任で行う担当者を配置し、その指導担当者が雇用管理全般を担当している企業もあります。
しかし多くの企業の場合、障害者の指導担当者を部門ごとに専任で配置することは現実的に不可能だと思います。

そのような場合、「指示を出す人を一人に決めておく」ことでこれらの問題を避けることができます。
複数の社員からの複数の仕事を取りまとめて、一人から指示を出すのです。一つが終わったら次という方法でなくても大丈夫です。一日の作業指示書を作成するなどすれば、障害者社員はその指示書に沿って仕事を進めてくれます。

指示を出す人は、専任である必要はありません。外出が多い社員より社内に多くいる人、依頼業務に近い業務を担当している人の方がいいと思います。

この業務指示を行う担当者を「キーパーソン」と表現したりします。これによって、優先順位をつけられないことによるミスや混乱は大きく減少します。判断に迷った際のホウレンソウのルートも一本化出来るため、万が一ミスが発生した場合も、素早く対応することが可能となります。

すべての業務を一人のキーパーソンが一括管理していくと、それなりの負担も大きくなる場合があります。負担軽減のためには、依頼者は口頭での依頼はなるべく避け、メールや作業指示書を介した依頼などをルール化することをおすすめします。
双方が慣れてくると、キーパーソン以外の社員が直接依頼しても、円滑に業務を遂行できるようになることも期待できます。


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