障害者雇用Q&A

Q
服薬している薬の種類が多い精神障害者は病気の症状が重いのでしょうか?

精神障害者の採用で迷っています。受け答えも落ち着いていて好感を持っています。ただ、服薬している薬のことをたずねると、いろんな種類の薬を複数飲んでおり、正直驚いています。就職活動の前に1年半程度の支援を受けていたそうで、入社後も支援してもらえるとのことですが、不安がぬぐえません。

A

【薬の量と障害程度の関係】薬の種類や量が多いことと障害の程度(重い)は無関係です。むしろ服薬管理の状況を確認。医師の意見も参考にしましょう。

精神障害のある方の採用を進める上で、服薬の状況に関する情報は大変重要な情報のひとつです。

採用担当者としては、その種類や量が多いと、「症状が重いのでは」と心配してしまうものですが、種類や量が多いことイコール障害が重いことではありません。

投薬については、主治医がこれまでの経過や本人の体質や体調を総合的に判断して処方していますので、「病気をコントロールしながら生活(就業)するために過不足なく必要な種類と量」は人によって様々です。

量の多さというよりも、本人がその薬について一定の知識を持ち、医師から処方された薬を決められた頻度で正しく服薬できているかといった情報の方が重要です。薬の飲み忘れがあると、体調を崩したり、再発を招くことになりかねないからです。

 採用段階では、服薬について自己管理ができているかを確認してください。もちろん、薬を服薬しているということによって、何らかの副作用もあるかもしれませんので、副作用についても確認します。

過去に自分の判断で減薬をしたり、薬を中止した経験があるかどうかについて、またその理由についても確認します。これはご自身が疾患、障害についてどの程度理解、受容しているかを確認する手段の一つであると考えます。薬は自身の判断で勝手に止めてはなりませんが、副作用などがつらいことによって薬を飲まなくなってしまう方も見られるからです。

体調のことや、服薬については、本人から得られた情報だけでは不安かと思います。本人の働きやすい環境を整える上でも、本人の同意のもと、主治医の意見書を求めることもよいでしょう。今回のケースの場合、ご本人が支援機関の支援を受けているとのことですので、支援機関を介して情報を提供してもらうことも有効だと思います。



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