障害者雇用Q&A

Q
体調が悪いと欠勤する精神障害者。会社はどのような対応をすればよいのでしょうか。
休みがちな精神障害者(統合失調症)の社員がいます。 
「体調が悪いから休ませてほしい」と言うので、了承するのですが、その翌日は意外とケロッとした顔で出勤していて、本当に体調が悪かったのだろうかと思ってしまいます。精神障害者というのはそういうものなのでしょうか。 

A
能力は高いのに勤怠が不安定な精神障害者の対応に苦労している企業は少なくありません。 
「体調が悪い時はいつでも休んで」と伝えることで安心して働けると思いますが、「休むほど体調が悪い」「再発の兆候」でなくても休ませてしまうことがあります。 

あまり神経質にならずに、本人の状況を具体的に把握し、その状況に応じて判断するとよいと思います。 
まずは欠勤の連絡は基本的に電話で受けてください。 体調の悪さを具体的に把握します。本人の声の調子、具体的にどのような感じか、ベッドから起き上がれるのか、更衣はできたのか、家から出られるかなどの質問をしてみます。 もし、家から出られそうなら、「会社に来てみて具合が悪ければ帰ってもよい」と伝え、出社をすすめることを試してみてはどうでしょう。 家を一歩出てみると気分が変わったり、出勤してみると意外と仕事ができる場合もあります。出勤して、やはり就業できそうにないようなら帰宅を促してください。 

体調が悪いと言われると、担当者は緊張します。 けれども、「体調が悪い」という状態が、即「働けない」のではないのです。 
それは誰でも同じです。たとえば風邪気味だったり、頭痛があっても仕事をする場合があります。統合失調症であっても同じです。 

逆に、明らかに普段の調子と違うという兆候が見られるときは、きちんと休みをとってもらい、回復してから出勤してもらうようにしましょう。そのためにも、日頃から体調の変化を可視化することが肝要。服薬、睡眠、疲労などの要素が体調やパフォーマンスに大きく影響するのが精神・発達障害です。 安定就業のためには、崩れてから対処するのではなく、崩れる前、予兆に気付くことが大切です。
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