株式会社王将フードサービス様 「戦力としての障害者雇用を王将らしく」を支援してもらえている

株式会社王将ハートフル 取締役 太田 弘幸 様(左)
求人しても採用できない 採用しても定着しない
法定雇用率が未達成の状態が続いていた
ー弊社にご依頼いただく前の障がい者雇用に関する状況、課題についてお聞かせください
大滝様: FVPさんにお問合せしたのは2016年の夏くらいだったでしょうか。
経営層も現場も、障害者雇用の重要性や必要性は理解してくれていました。ですから全国の店舗で障害者の求人は出していたのですが、応募者は多くありませんでした。
今から思えば、仕事内容も採用プロセスも、障害のないスタッフと同じでしたので、うまくいくわけもありません。
障害者スタッフの定着にも課題はありました。
障害特性も十分に把握できずに採用していましたので、適切な関わり方もよくわからない状態で仕事をしてもらう状態しかないわけです。短期間で離職してしまう障害者スタッフも少なくありませんでした。
大滝様: 私自身、障害者採用担当になって間もなかったので手探り状態でした。かといって当時の周囲には障害者雇用の経験や知識のある社員もおりませんでしたので、誰にも相談できません。
今でこそお話できますが、その時の障害者実雇用率は当時の法定雇用率2.0%に対して1.●%といった状況でした。
このままでは障害者雇用が行き詰ってしまう。
担当の私のみならず、経営層も含めて「差し迫った状態」の中にいました。
当時の上司とも相談し、外部の支援会社の協力を得ようということになったのです。

実際に現場をみた上で提案してくれたのはFVPだけ
ー弊社サービスをお選びいただいたきかっけ、経緯、理由についてお聞かせください。
大滝様: ウェブサイトを検索して、何社か話をききました。
「この商品(ソリューション)を導入すれば障害者雇用率が改善する」という提案もありました。障害者雇用を外部に委託すれば短期的雇用率は改善するのですが、あくまでもそれは瞬間風速の雇用率にしか過ぎません。
FVPさんは、「提案の前に現場を見せてほしい」と言われたことが印象に残っています。店舗はもちろんですが、京都や埼玉にある工場も見に来てくださいました。
ー弊社からは、特例子会社を中心に障害者雇用を進めること、障害者社員の仕事は京都・久御山工場でのキャベツの一次加工をご提案しました。
太田様: はい。覚えています。FVPさんは、長期的視点に立ち王将フードサービスという会社をよく理解いただいた上でどのように進めていくのがよいかといった解決の方向性と、その手段として特例子会社設立を提案してくださいました。

ー1社1社障害者雇用の課題は異なりますので、当然のことだと私たちは考えています。
大滝様: さらに驚いたことに、障害者社員の仕事として、王将の本丸である餃子の材料となるキャベツの加工をご提案されました。
太田様: 今から思えばその判断は大成功でした。
最初は一部ラインを特例子会社で請負っていましたがみるみる範囲が広がり、全てのキャベツの加工を担当することになりました。
「障害者社員を戦力として」の提案に希望を感じた
大滝様: 意外なことですが、障害者社員を「戦力として採用し、戦力として育成していく」とおっしゃったのはFVPさんだけでした。特別なノウハウがあるのだろうかと思いました。
ー「FVPではなぜ障害者社員を戦力にできるのか」とご質問いただいたことは記憶に残っています。
大滝様: 質問に対してのFVPさんの返答は「戦力として採用し、戦力として育成する」だったたことも覚えています。その時はおっしゃっている意味がわかりませんでしたが、その通りだと今はわかります(笑)
特別な技法というよりゴール設定の問題ですよね。
戦力として採用し戦力として育成しようと思わなければ、戦力になってもらうための指導も不十分となり、戦力に育つわけがないと、今になってみればよくわかります(笑)
ー「障害者社員を戦力として」という提案は、FVPをお選びいただいた理由にはなっていませんね(笑)失礼いたしました。
太田様: 「戦力として育てられたらありがたい」と思っておりましたが、当時の弊社の喫緊の課題は障害者雇用率の改善でした。
したがいまして、当時は「戦力に育つのならなおありがたい」「希望」「楽しみ」といったくらいの受け止めでした(笑)

「王将らしい障害者雇用」の形を特例子会社で実現しようと提案された
太田様: もちろん社内でも特例子会社の設立を検討してはいました。けれども踏み切れませんでした。特例子会社の一般的なメリットやデメリットではなく、当社にとっての必要性がはっきりしないのです。そして設立に向けた手順、運営についてはもっと見当がつきません。
FVPさんから、はそういった課題に対してしっかりとご提案くださいました。
「王将らしい障害者雇用の形を特例子会社で実現しよう」とご提案いただきました。「王将らしさ」というキーワードは今もとても大切にしています。
大滝様: 特例子会社設立を決定したのが2016年の12月。その後の「株式会社王将ハートフル」の設立、そしてその「株式会社王将ハートフル」が特例子会社として認定を受けたのが2017年の4月でした。
採用を進めながら特例子会社の認定申請をするといった業務はきわめて煩雑でした。社内リソースだけで短期間にやりきることは絶対に不可能でした。
そして、単にプロセスを進めるだけはなく、様々な判断や意思決定において的確に情報提供をいただけたこと、「王将らしさ」にこだわることができたのもありがたかったです。
担当としては、上司と一緒に一つ一つのタスクをこなすことに必死でした。ものすごく忙しかったと記憶しています(笑)

障害のある社員がキャベツの芯取りを担当するようになってクレームが激減した
大滝様: 特例子会社を設立したことで、採用は順調に進められるようになりました。あれほど苦戦していた法定雇用率の達成が現実のものとなりました。
そして特例子会社設立から8年たった現在では、弊社の実雇用率は3.●%となっています。
太田様: 設立当時の王将ハートフルの特例子会社としての目的は、社会的責任の履行、つまり法定雇用率の達成でした。当然のこととしてKPIは、採用数、在職数(定着数)、実雇用率などになるわけです。
それが、設立後しばらくして、ある出来事によって、王将ハートフルの目的が社員の幸せを実現することへと変わったのです。
太田様: 王将ハートフルで障害のある社員たちがキャベツの一次加工(芯取り)の仕事を担当するようになり、お客様からのクレームが激減したのです。

大滝様: 芯取りされたキャベツは餃子に加工されるわけですが、季節や産地によって芯の固さも大きさも異なるため、どんなに気を付けていても、キャベツからすべての芯を取り除くことは現実的には不可能で、その結果、餃子をご注文いただいたお客様から「芯が入っている」とクレームをいただいてしまうこともあったのです。
太田様: 障害のある社員が、基準に沿ってきちんと丁寧に作業してくれたおかげで、芯取りの精度が格段に向上しました。その結果、餃子に混入する「固い芯」が減ったり、お客様のクレームが激減したという恰好です。
この出来事は、障害のある社員たちが、王将の命である餃子の品質をしっかりと担保し、王将のお店を支えてくれているという紛れもない事実でした。社長をはじめとする役員、工場関係者たちは大きな衝撃を受けました。この出来事によって、王将ハートフルの目的は、社会的責任を果たすことはもちろんですが「障害のある社員を大切な仲間として尊重し、彼らの幸せを実現すること」に変わったのだと考えます。
ーすばらしいエピソードですね。
大滝様: それだけではありません。労災事故も操業開始3000日(●●●●年6月20日現在)起こっていないです。これも驚異的な記録です。
障害のある社員たちが王将を支えてくれているのだと、胸を張って断言することができます。
特例子会社での障害者雇用の知見が店舗での障害者雇用に生かせている
ー現在の王将フードサービス様、王将ハートフル様の障害者雇用についてもう少し詳しくお聞かせください。
大滝様: 特例子会社である王将ハートフルでは、京都久御山工場と埼玉東松山工場に合わせて●名の障害のある社員が活躍しています。仕事内容は、キャベツの芯取り、玉ねぎの皮むき、ニンニクの皮むき、コンテナ洗浄、清掃、クリーニングなどと多岐にわたります。すべての仕事は王将フードサービス、そしてお店を支える重要な仕事です。まさに王将らしい仕事で貢献してくれています。

太田様: 親会社である王将フードサービスでも、本社、店舗、工場など様々な場所で●名の障害者スタッフが活躍しています。
大滝様: 特例子会社での障害者雇用で得られた知見は、店舗をはじめとする親会社での障害者採用、雇用管理にも役立っています。おかげさまで定着率も高くなりました。
太田様: 2021年に「もにす認定」も取得しました。京都で認定を受けたのは2社目です。
※もにす認定とは
https://www.mhlw.go.jp/stf/monisu.html

FVPはわたしたちの状況をよく理解したうえで助言してくれる存在
ー弊社サービスのどのような点にご評価いただけましたでしょうか。
大滝様: 特例子会社の設立に際しては、先ずもってどのような方針で進めるべきかといった包括的な提案をしてくださいました。そして、特例申請の手続き、業務の切り出し、採用の進め方、そのあとの定着と戦力化についての具体的な実務もサポートしていただきました。
特例子会社としての事業計画や採用計画の作成、就業規則などの規定類の作成、申請書類の作成、役員会資料の作成、そして役員会での説明などといった様々なプロセスをすべてご支援いただきました
当社はゼロからのスタートでしたが、なにより、私たちのことをよく理解して助言をしてくださいました。
太田様:設立したあとも引き続きご支援いただいています。直後は障害者社員の雇用管理体制を整えることが課題でした。工場に実際に入っていただき、作業をご体験いただいたり、指導員のヒアリングをするなどして、ご評価とご支援をいただきました。
障害のある社員と働いた経験のない社員がリーダーとして対応するにあたっては、長野・松本での実地研修もご対応くださいました。忌憚のないフィードバックをいただきとてもありがたく思います。

太田様: 最近では個別ケースにも豊富な知見からアドバイスをいただいたり、指導員の勉強会をサポートいただくことで自分たちで考え、問題を解決する力を培えました。
Q.弊社サービスと他社サービスのとの違いはどのような点ですか
大滝様: 「障害者を本業の戦力として」という観点から関わってくださるところです。
障害者社員の仕事の切り出しにおいて、王将餃子の本丸でもあるキャベツの加工をご提案いただいたのは、その顕著な例だと思います。自分たちだけでは経営に納得してもらうだけの根拠は示せなかったと思います。外部の専門的な見地からご提案いただいたからこそ取り組めたことだと思います。
太田様: 本音ベースで話ができること。忖度無しでズバッと提言してくれるところです。気づきやヒントもたくさんいただけます。

ー障害者雇用を進めたことで得られた成果についてお聞かせください
太田様: 障害者雇用の仕組みが作れたこと。障害のある社員の成長。そして障害者社員だけでなく関わる社員の成長などが大きな成果と言えます。
人材不足解消と生産性向上の面で親会社への貢献ができていると自負しています。 障害者社員が戦力として活躍しているからこそだと思います。
障害者雇用に対する親会社の関心や理解が進み、社内の協力者も増えて好循環が生まれています。
障害のある社員と一緒に特別支援学校へ出前授業に出かけている
王将らしい社会貢献の形
太田様: 今、王将ハートフルでは、障害者社員とともに彼らの母校である特別支援学校に出かけ、出前授業を行っています。
王将ハートフルでの仕事内容、仕事のやりがい、働くために必要なことなどを、先輩から直接伝えることで、特別支援学校の生徒さんたちの進路を考える機会になれば・・という趣旨です。その数はのべ●回にも登ります。
仕事のやりがいを自信をもって語る彼らの様子に、当時の先生方もとても喜んでくださっています。

大滝様: 特別支援学校に新たに赴任された先生に対して研修受け入れもしています。最近では、定時制の学校に通われる障害者が増えてきたこともあり、学校へ就職支援のアドバイスも行っています。また、店舗においても支援機関の職員などの研修も受け入れています。
太田様: ささやかではありますが、私たちの障害者雇用の取り組みが社会のお役に立てばという気持ちでやらせていただいています。
ー障害者雇用に関する今後の展望についてお聞かせください
太田様: おかげさまでとても良い状態で障害者雇用が進められています。現状に満足せずさらに体制強化を図ります。「王将らしさ」にこだわりさらに仕事を増やします。王将ハートフルは現在●名の障害者社員を●名くらいまでは増やす予定です。
王将ハートフルから王将フードサービスへの出向、王将フードサービスから王将ハートフルへの出向者も増やし、社員の交流をさらに進めます。
親会社、特例子会社の分け隔てなく、ALL王将としての障害者雇用を進めていきます。
そして、社員の幸せ、お客様の喜びを追求する会社をこれからも目指します。

【資料ダウンロード】
FVPのサービス内容がこの1冊でわかる
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特例子会社設立プランニングシート
✓自社の障害者雇用の課題は?
✓特例子会社をつくるメリットは?
✓特例子会社をつくるって...何を決めればいいの?
特例子会社の設立を検討している
経営会議に提出する資料をつくりたい
特例子会社のプランを具体化したい
そう考えるご担当者様にお役立ていただける資料です。